殺りん話を、とりとめもなく・・・ こちらは『犬夜叉』に登場する 殺生丸とりんを扱う非公式FANサイトです。
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救えぬのか・・・?
救えぬのか・・・・・!!
いつかりんが死んでも・・・
りんのこと忘れないでいてくれる・・・?
あれは、こういうことだったのか・・・?
馬鹿なことを、と私は言った。
・・・馬鹿だったのは、私だ。
失うまで分からなかった私だ。
悲しみ、そして、恐れ。
かつて、私の中には存在すらしなかった。
愛しいものが手のひらから滑り落ちたとき、
もう、決して戻らぬのだと知ったとき、
こんなに・・・苦しいものなのかーーーーー・・・。
あの笑顔も、声も、香ばしい匂いも、太陽のように暖かな温もりも、
もう、この手からこぼれ落ちてしまったのか。
・・・もう、戻らぬのか・・・。
私の、くだらぬ望みのために・・・。
天生牙の冥道を広げる・・・?
私は、一体何のために・・・?
・・・・・・・何のために?
なぜ、冥道を広げたいと?
なぜ、強くなりたいと・・・?
りん、お前を失ってまで・・・
りんの命を失ってまで得るものなど、あるはずがない・・・
あるはずが、ない・・・!
きつく抱き締めてもぴくりとも動かなかった。
いつもあれだけ元気に跳ね回っていた娘が・・・
身を寄せるといつも「きもちいい」と私の毛に頬をすり寄せていた、りんが・・・
心を引きちぎられたような痛み。
目に映るのは、天生牙にすがる死人。
山のように重なる死人。
おまえたちにも、愛しいものがあったのか。
この数え切れない死人の一人一人に
癒されることのない悲しみがあったのか・・・
彼らから伝わるのは、果てのない絶望。
そうか・・・。
・・・救われたい、のか・・・・・・
初めて知る、感情。
りん・・・・
天生牙を手に取ると、目を閉じた。
・・・清浄な光が溢れだし、冥界を覆った ――――――― 。
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あの時。
冥界で癒しの天生牙を使われた時。
救われたかったのは殺生丸さま自身だったのではないか、と思ったものです。
そして、初めて身を持って知ったのでしょう。
非力ながら何かを必死で守ろうとする人間の気持ちも。
生まれて初めて、愛しいもの・大切なものを失うのを恐れた殺生丸様。
生まれて初めて大切な存在に気が付いたのに、失うことで気付くって、辛すぎる、よね。
このあと、ご母堂さまがりんの命は冥界から拾い上げてくれるわけですが、
天生牙を使えるのは一度のみと知らされた殺生丸さまの心中を思うと、
邪見ではありませんが本当に泣けてきます。
「あの時、あのまま人里に残してくれば・・・」って、
たぶん、生まれて初めての「後悔」だったんじゃないかなぁ・・・
普段、滅多なことでは感情が揺さぶられることのない方だからね。
そりゃあもう、どんだけ怖かっただろうか、と。
でも、きっとここまで追い込まれないと気がつかなかったんだろうと思います。
父上と母上がタッグ組まないと、強すぎて多分誰からも追い込まれることないと思いますしね。
父上は、本当に殺生丸を信じていたのだなぁと、思うのです(´艸`o)゚.+:
殺生丸さまがここまでして得た冥道残月派も、半妖の弟に譲ると信じて疑わなかったわけで。
いやもう、父上すごいよね。
しかしまあ、原典を読んだ時分、私は「殺りん」という言葉すら知りませんでした。
女顔の殺生丸というやたら強い愛想のない兄上が、
気まぐれで幼女を連れ歩いている、としか思っていませんでした。
で、あの冥界編。
ご母堂さますら、「殺生丸と同じ顔」としか思ってなかったんですからね・・・。
「りんの命と引き換えに・・・」
ポカーーーーン・・・
え?
そんなに大事に思ってたっけ・・・?
そんな大事に思ってるようなシーンあったっけか??
っていうか、人間の小娘一人死ぬくらい、何とも思わないキャラじゃなかったっけ???
と思ったことも、今は昔。
生まれてこのかた、鶏肉のささみしか食べたこと無いのに、
知らずに松坂牛を食べた時の衝撃というか。
正直、知らないからありがたみが分からないと言うか。
ああ、返す返すももったいない・・・
当時、すばらしい二次創作サイトさまに出会っていれば、
もっと「祭」の素晴らしさを味わえたのではないか、と思ったりするのでした。