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あやかしとむすめ

殺りん話を、とりとめもなく・・・  こちらは『犬夜叉』に登場する 殺生丸とりんを扱う非公式FANサイトです。

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あなたが望み、欲しいと願っているものを <4>


 
  
  
「・・・・・殺生丸さま・・・」
 
 
りんは、思う。
りんが、殺生丸さまに出来ることはなんだろう、と。
 
殺生丸さまは、大妖怪だ。
大概のことはすべて、妖力でなんとでもなってしまう。
その殺生丸さまが、「体が動かぬ」と言ったのだ。 これは、よほどの事だと思う。
きっと、妖力で傷を表面だけ塞いだとしても、体の奥深くに及んだ傷は癒えていないに違いない。そうでなければ、殺生丸ほどの大妖が寝たきりで動けないはずがないのだ。
 
・・・だから、りんは自分から顔を持ち上げて、そっと殺生丸に口づけた。
頬、おでこ、くちびる、鼻の上。
りんがいつも殺生丸にして貰っているように、優しく、そっと。
 
「・・・殺生丸さま・・・」
 
りんの方から殺生丸に口付けをしてくるなど、今まであまりなかったことで、殺生丸は僅かに目を見開いて、りんを見上げた。
 
「・・・りん・・・?」
 
「・・・おかえり、殺生丸さま。 りん、待ってたんだよ。・・・ずっと、殺生丸さまが帰ってくるのを 」
 
「・・・・」
 
りんの言葉に、なぜか、殺生丸は柳眉をひそめた。 
優しげだった表情が、みるみるむすっとしていく。
どうやら、あまり思い出したくないことを思い出したらしい。
一体、どうしたというのだろう。
りんが戸惑っていると、殺生丸はぷい、と明後日の方を向いて、ぼそりと呟いた。
 
「 ・・・待っていたなど、嘘だ。 お前は・・・・ずっと、母上の宮にばかりいたではないか 」
 
私が迎えに赴こうが、応じようともしなかったくせに、という言葉はさすがに、飲み込んだらしい。殺生丸は、女子供を相手にぐちぐちと文句を言うような、そんな器用なことができる男ではない。それでも、このような言葉が、ぽそりとでも口からこぼれたのは、やはり死にかけた直後だからだろうか。
りんは、しばらく殺生丸の言葉の意味を反芻していたが、ややして目を見開いた。 
・・・・まさかとは思うけど、これは・・・・もしかして。
 
「殺生丸さま・・・・もしかして、御母堂さまに・・・ヤキモチ・・・・妬いてる?」
 
「・・・・・・・・・」
 
長い沈黙は、肯定・・・なのだろう。
思わず、りんは吹き出してしまった。
 
「・・・・・りん」
 
「ごめん、ごめん、殺生丸さま」
 
殺生丸の胸の中に顔をうずめて、りんはくすくす笑う。
 
「・・・あのね、りんが御母堂さまのところに泊りこんでたのは、殺生丸さまのためだったの」
 
「私の為・・・?」
 
そう言えば、母上は、そんなことを言っていたような気もする。
怪訝な顔をした殺生丸に、りんは顔を近づけると、そっと唇を重ねた。
多分、御母堂さまの言葉を信じるならば、大丈夫なはずだ。
殺生丸さまの妖力が弱まっているのならば、りんが出来ることは・・・・
 
 
――――――まさに今しかないのかもしれない。
 
 
りんは身を起こすと手を後ろに回して、自分の帯をほどいてしゅるりと抜いた。
 不思議だ。 今までになく、気持ちが解き放たれたような気がする。
 
「・・・・・りん?」
 
殺生丸は、わずかに目を見開いた。
りんが、殺生丸の前で自ら着物を脱ぐことなど、今まで一度もなかった。
寝屋では、りんはすべてを、殺生丸に任せていたはずだ。
一方、りんは思う。
確かに、殺生丸さまが脱がしてくれるのはドキドキして、心地よかった。
けれど、知らず知らずのうちに、すべてが受け身になっていたのも事実だ。
さっき、殺生丸さまが今までになく言葉に出して気持ちを打ち明けてくれたおかげで、りんも一つ、自分の殻を壊せた気がする。
勇気を出して、するり、と着物を肩から落として、小袖だけになった。
 
「・・・ねえ、殺生丸さま・・・りんは、殺生丸さまに何ができるの・・・?」
 
小袖姿になったりんの細い指が、そっと殺生丸の頬に触れ、首筋を撫でる。
いつも、殺生丸がりんにそうしているように。
妖のとがった耳元に唇を寄せ、そっと囁く。
 
「こうやって、死にそうになるほどの怪我をしても、殺生丸さまは自分で直してしまうでしょう・・・?」
 
言いながら、耳たぶに、ちゅっ、と口づけた。
りんはいつもこうされると、ぞくぞくして、身動きがとれなくなってしまう。
 
「だから、今日は、りんが殺生丸さまを気持ちよく、するね。 いつも、りんがしてもらってるように・・・。りんが、殺生丸さまに、できることを・・・するね」
 
「・・・・・・り・・・ん・・・?」
 
いつの間にか、りんが殺生丸の上に覆いかぶさっている。
こんな景色は、初めて見たかもしれない。
りんの肩からさらさらと落ちてきた髪が、天蓋のように殺生丸の視界を覆う。
二人だけの世界の中で、りんの柔らかな唇が、顔のそこかしらに落ちてくる。
・・・くすぐったい。だが、こんなふうにりんの方から口づけられるのは初めてで、大妖はなすがままに任せる心地よさの中にいた。
りんから降ってくるのは、一つ一つに想いの込められた、優しい口づけ。
たゆたうような心地よさの中で、柔らかなりんの体が、蝋燭の明かりの中でゆらめく。
優しく繰り返されるりんの口づけの中で、殺生丸はりんの体に手を伸ばした。
・・・・りんに、触れたい。
自由に動く方の手のひらを伸ばし、小袖の上からそっと、りんの乳房に触れた。
 
「・・・・・っ」
 
殺生丸の手の動きに合わせて、りんの息は乱れる。
その息づかいに、殺生丸も体の芯が熱くなった。 思えば、もう何日間も、りんを抱いていない。
小袖の上から柔らかな乳房を揉みしだきながら、その小さな頂を、毒をひそめた親指と人差し指で摘むと、りんの体がびくり、と震えた。
 
「・・あぁ・・・っ」
 
りんは、殺生丸の体の上に覆いかぶさるようにして両側に手を突っ張って体を支えている。
りんの胸の柔らかな感触を手で存分に味わった後、殺生丸はわずかに上半身を起こして、小袖の胸元を、一気に割った。
体を下にずらし、こぼれだした柔らかな谷間に顔を埋めると、直に胸の頂を口に含み舌の上で転がした。
りんはたまらず、びくん、と体を反らせてしまう。
 
「や・・っ あっ・・・あ、やぁ・・ん・っ」
 
りんは、感度がいい。
甘い声が漏れ、体を支えている手が、震えている。
以前、ゆっくりと執拗に胸だけを攻めたら、これだけで達したことがあるくらいだ。
この後に訪れる快楽を想い描き、知らず知らず、体が反応してしまうのだろう。
いつも腕の中で見下ろしているばかりだったから、見上げているりんが体を反らせ、捩らせるのはなかなかいい眺めだ。
 
「だ・・・め、せっしょう、まる、さま・・・っ」
 
喘ぎながら、りんは必死に体を反らし、殺生丸の顔を胸元から離す。
つ、と胸の頂から妖の舌に、糸が引いた。
 
「今日は、殺生丸さまに・・・気持ちよく、なってもらうん、だから・・・」
 
とろんとした顔をして、大妖に馬乗りになったまま、りんはずるずると下がっていく。
足下まで下がると、りんは恥ずかしさに苛まれながら、殺生丸の帯に触れた。
 
「り・・・・りんが、脱がしてあげる、から」
 
恥ずかしそうに目を伏せて、こわごわと帯を解き始めたりんに、殺生丸は目を細める。
先ほど、真っ赤な顔をして体を拭いていたのは、見間違えではなかったらしい。
殺生丸はふと、頭上の燭台にあかあかと明かりが灯っていることに気づく。
 
(・・・・そうか。 りんは今まで、寝屋の中が見えていなかったのか・・・)
 
幼い頃から、どこぞの王族のような暮らしをしていた殺生丸にとっては、別に他人に裸体を見られることに、抵抗なぞない。生まれ育った宮の浴室には常に端女が控えていたし、幼い頃から、体を洗うのは、彼らに任せるものだと教わっていた。
だが、目の前で、りんが殺生丸の裸体を見て恥じらっているのを目にしてしまうと、殺生丸は体の内側から更に、炎で炙られているような気がした。
おまけに、りんは胸元のはだけた、あられもない小袖姿だ。
殺生丸の体の芯が、じん、と熱を持った。
 
たくましく反り立った殺生丸を凝視できずに、りんは目を伏せながら、こくり、と息をのむ。
 
(・・・・大丈夫、だよね・・・)
 
大丈夫。 御母堂さまのお城で、教わったようにやってみよう。
天空の宮にいた、「いんきゅばす」という女妖に教わった、口での愛撫。
たまたま御母堂さまを訪ねていたその女妖に、りんは尋ねてみたのだ。殺生丸の為に、りんが出来ることはないか、と。
「いんきゅばす」は快く教えてくれた。
「こういうことは、大妖怪の妃には必要な知識なのよ」と言いながら。
りんは御母堂さまのような、一族を率いるような立場でも何でもないけれど、殺生丸の為になるのであれば、何でもしたい。
特訓はけっこう厳しくて、合格、という言葉を貰うには、数日間を要したけれど。
 
(・・・殺生丸さまを、気持ちよく・・・してあげたい・・・)
 
とろん、とした表情で、りんは顔を落としていく。
熱をもった殺生丸のそこに触れ、反り返る頂点にそっと口づけを落とす。
湿らせた唇で、何度も口づけを繰り返し、形に添って唇を這わせながら、舌でちろちろと舐め、そっと咥える。小さく柔らかなりんの唇と舌が、殺生丸を包み込み、わずかに動き始めると、殺生丸から苦しそうな吐息が漏れる。 りんは、溢れてくる唾液をそのまま滴らせ、殺生丸に添えている指に絡ませて、口の動きに合わせてそっと、滑りよく動かし始めた。
殺生丸の腰が、りんの動きに反応するように、わずかに浮いた。
殺生丸を口の中で愛撫しながら、りんも思わず、喘いでしまう。
 
「・・・んっ・・・んん・・・・っ」
 
それが、更なる煽りとなって、殺生丸を襲う。
りんから声が漏れてしまうのは、口の中に満ちている殺生丸が、苦しいだけではない。 
先ほどから、殺生丸のそれが咥内を蹂躙するたびに、想像してしまうのだ。
この熱い塊が、りんの中に入ってくる時の、えもいわれぬ深い愉悦を。
いつもいつも閨の中で、気を失うほどの愉悦の海の中へ引きずりこまれてしまう。溺れてしまう。
 その情景を思い出すだけでも、りんは濡れてきてしまう。
そんな、淫らな自分への恥ずかしさに身を捩らせながらも、殺生丸の熱い塊を咥内で蹂躙する。
優しく、時に激しく、上下に、何度も、何度も、何度も。
 
「・・・・り、ん・・・!」
 
ぐっ、と腰に力が加わり、りんの口のなかの殺生丸が力を持った。
と、りんの頭に添えられた殺生丸の手にも、力が籠もる。
 
「んっ・・・く、んんっ・・・!!」
 
頭を固定されて、身動きのできなくなったりんの苦しそうな息に、もはや、殺生丸は耐えられそうになかった。しばらくりんを抱いていないこの体に、この刺激は強すぎる。
保たなくても、当然かもしれない。
 
「―――――― り、ん・・・!」
 
奥まで咥え込んだままのりんの咥内に、すべてをぶつけるように、果てた。
熱いものが勢いよく喉の奥にぶつかり、息苦しさも相まって、りんも思わず声をあげる。
 
「ん・・っ! ん―――――・・・っ!!」
 
激しく果てた殺生丸の精は咥内に収まらず、りんの口から溢れ出していく。
押さえていたりんの頭を、抜きとるように離すと、たぷん、と白い精が口元からりんの胸元に落ちた。
 
「あ、はぁっ、はぁ・・・っ」
 
口元からぽたぽたと精を滴らせながら、肩で息をするりんは、頬を上気させ、目をとろんとさせたまま、微笑んだ。今まで殺生丸が見た、どんなりんより、淫らだ。
 
「せ、しょうまる、さま・・・きもち・・・よかった・・・?」
 
そう言いながら、りんの身体が、じん、と震えた。
りんの下から、とろり、と透明な液が溢れ、内股を伝っていく。
先程、乳房に加えられた甘い刺激のせいかもしれない。
殺生丸を口で愛撫しながらも、りんは、どうしようもなく感じ始めてしまうのを、止められずにいた。
 
 
「―――――・・・・り、ん」
 
どこで、覚えた・・・?
こんなふうに、口で愛撫する方法など、私は強いたことは一度もないはずだ。
 
大妖はそう頭で思うものの、鼻腔は甘いりんの蜜の匂いを捜し当て、果てたはずのモノは、また更なる熱を帯びていく。まだだ。・・・まだ、足りない。
目の前にいるりんの淫らな姿は、蝋燭の光に照らされて、甘く匂い立つように、揺れている。
寝屋の中には、りんが十分に濡れた時だけに放つ、甘苦しい匂いが、満ち満ちている。
胸元をはだけさせたまま脱がされることのなかった白い小袖が、かえって淫らにりんを引き立てていて、己の欲情に火を つけるには、それだけでもう、充分だった。
 
――――― もう一度、りんの中で。
 
殺生丸は、自由のきく手で上半身を起こすと、側にあった盥から、布をすくい上げ、片手の手のひらで絞った。 その布で、とろんとした表情のままの、りんの口元に散った己の精を拭いてやる。 この景色も悪くはないが、思う存分りんに頬ずりするには、いささか己の精は邪魔だ。
胸に滴ったものも同じように拭いてやり、肩にかろうじてかかったままだったりんの小袖を、いつものように脱がしかけて、やめた。
乱された小袖は・・・・
 
「・・・・これはこれで、悦いか。 その方が、そそる」
 
「・・・?」
 
ふ、と笑った殺生丸に、とろんとしたまま、りんが首を傾げる。
 
「・・・りん、そのまま、動くな」
 
「え・・・?」
 
 
 
 
 
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