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あやかしとむすめ

殺りん話を、とりとめもなく・・・  こちらは『犬夜叉』に登場する 殺生丸とりんを扱う非公式FANサイトです。

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神成りとむすめ<12>



 

りん付きの半妖、小梅と小竹がため息をつく。


「 何度も聞かせて頂きましたが、本当にお上手でございますねー・・・」

「 私たち、男の人の歌ってあまり聞いたことがありませんでしたが・・・」

「 なんというか、心が洗われてゆくようですね~・・・」

「 そうは思われませんか? りんさま」

 

 

 

 

 

 


神成りとむすめ<12>


拍手[53回]

 

 

 

 

 

摘み取った薬草を、さらに花と葉と茎により分けながら、りんはうなずいた。
この薬草は、りんがこの里で初めて見た薬草だ。
西洋弟切草という名で、元気がないときに煎じて飲むと、気分が明るくなるのだという。
今日は天気がいいので、屋敷の庭に大きなゴザを敷いて、皆で摘んできた薬草を部位ごとに
選り分ける作業をしている。

「 本当に、そうだね・・・。案摩さんの歌って、なんだか、聞いてるそばから心が洗われていくみたい。  それに、なんだか、とっても懐かしいような気分になるの」

りんが微笑むと、一緒に作業をしていた案摩が、嬉しそうに笑った。

「 りんさまにそう言っていただけると、私も嬉しゅうございます」

そう言いながら、案摩も手元は器用に薬草を部位ごとにぷちぷちと選り分けている。
うっとりと目を閉じたままの双子の半妖に、邪見の小言が飛んだ。

「 こりゃっ!! お前たち、いつまでうっとりしとるんじゃっっ!! ちゃんと手も動かさんかい、手も!!」

 

ここは医王の里―――りんの屋敷である。

りんが、空から落ちてきた案摩を預かって、数日が過ぎた。

案摩が医王の里に落ちてきた時に負った怪我は、僅か数日で、詠月と柚月が驚くほどに早く直ってしまった。これはどうやら、薬効のある出湯のおかげと言うよりも、やはり詠月の見立て通り、りんのそばにいて霊力を回復できたことが一番の大きな理由らしい。

元気になった案摩は、りんのそばで、色々なことを手伝いたがった。いつも佐保姫に仕えているように、同じようにりんにも仕えさせて欲しい、と。世話好きなりんが、そばであれこれ教えながら手伝わせてみたら、意外に手先が器用なことがわかった。
邪見に小言を言われながらも、案摩は嬉しそうに製薬の作業を手伝ったり、小梅や小竹と一緒に屋敷の掃除をしたりしている。

案摩の願いを聞いて、この数日間、りんはずっと案摩と一緒にいた。
りんが医王庵へ行くときも、製薬の作業をするときも、畑へ出向く時も、台所に立つときも、
とにかくずっと一緒である。夜、りんが就寝する時でさえ、案摩はりんの部屋の廊下に控えたまま離れなかったくらいで、これには邪見が、かなりやきもきした。

なんせ、変な布の面以外、見た目は人間の男とほとんど変わりないのだ。
どうにも、りんに変な虫がくっついているような気がしてならない。
案摩とりんに全くそんな気はないにしても、邪見の脳裏には主の顔がちらついて仕方なかった。
だが実際のところ、邪見がいくら気を揉もうと、精霊である案摩には、そもそも自分が男であるという感覚がほとんどない。かつて人間の男だったというだけで、今はその姿形を借りているにすぎないのだ。
案摩からりんに向けられていたのは、佐保姫という主に向けられる敬愛の念と変わらず、結局いつも通り、邪見の心配は杞憂に終わった。


案摩は度々、りんや半妖の双子たちに乞われて、神使が出雲で歌うという歌を歌った。

きっかけは、殺生丸のことが気になっているりんが、「 殺生丸さま、今頃、出雲でどんなことしてるんだろう・・・」と、夕食時にぽそりと漏らしたことにある。

新しい里にきて、りんは毎日、気を張って頑張ってはいる。
だが、楓や、いつもにぎやかな犬夜叉やかごめ、弥勒や珊瑚たちが恋しくないと言えば、嘘になる。
あの邪悪な半妖・奈落に、共に立ち向かった仲間が集う里。
彼らが暮らすあの人里で、りんは初めて、人間らしい生活を学んだようなものだ。
りんにとっては、いわば故郷のような里である。
慣れ親しんだ人里から離れ、恋い慕う殺生丸からも離れて暮らしているりんが、寂しくないはずがなかった。


案摩は寂しそうに呟いたりんを気遣うように、殺生丸が赴いている出雲の神議りについて、色々と教えてくれた。
「本来であれば、あまり神使の口から話すべきことではないのかもしれませんが、りんさまは仮にも狗神さまの奥方さまですから、問題はないでしょう」
案摩が話す神々の話は、当然のことながら初めて聞くことばかりで、皆、驚きながらその話を聞いた。

出雲の神議りには、この秋津島にいる神という神、すべてが集まってくること。そんな神議りの場となるのは、その時期だけ出雲の地に開く異空間であり、人の目には見えないこと。
その異空間は、神議りの主催神、大国主神(オオクニヌシノカミ)の住まう宮殿であり、すべての神々が入ったとしても、あまりあまるほどに広いこと。

そして、縁(えにし)結びの神事は斉庭(ゆにわ)と呼ばれる、さらに特別な空間で行われ、その間、神使は歌を歌うということ――――。

りんだけでなく、まだ幼い小梅と小竹も、これにはいたく興味を示し、その神使の歌とやらを
聞きたがった。そして、一度歌った後は、何度となく歌をせがまれることとなったのである。

案摩も、りんや双子の半妖たちに自分の歌を喜んでもらえるのが嬉しかったのか、請われれば何度でも、嬉しそうにその歌を歌った。

「 りんさまが懐かしい、と思われるのも、よく考えれば当然かもしれませんね。この国に巡る命は、生まれ変わる度に、必ずこの歌を聴いているはずなのです。この歌が響く斉庭の中で、魂は生まれ変わっていくのですから・・・」

案摩は、手元を器用に動かしながら、りんにそう言う。

案摩の言葉に、りんは不思議な気持ちになりながら空を見上げた。
澄み渡った青い空には、柔らかな丸い雲が一つ二つ、浮かんでいる。

正直なところ、りんにはよく分からない。
りんは二度も殺生丸に生き返らせて貰ってはいるが、生まれる前は自分はどこからやって来たのかとか、死んだ後はどうなるのかとか、今まであまり深く考えたことはない気がする。
物心ついた時には両親が殺されて口が利けなくなっていたから、幼い頃は、そういうことを疑問に思っても誰かに尋ねることはできなかった。
殺生丸の庇護を得て、楓の元で暮らすようになった後は、とにかく目の前の日々を過ごすのに精一杯で、そういうことを考える暇はなかったように思う。

けれど、殺生丸は今、その命の巡りを結ぶという神事に赴いているのだ。

(・・・殺生丸さまも、今頃、出雲でこの歌を聞いてるのかな)

こんなに遠く離れているのに、りんは今、同じ歌を聞いている。
そう思うと、何だかほんのり、幸せな気持ちになる。

(殺生丸さまが、誰かの縁を結んでるのかぁ。生まれ変わった、誰かの・・・)

本当のことを言えば、遠い未来のことを考えるのが、りんにはまだ少し、怖い。
大好きな人とは、どうしようもないくらいに、命の長さが違うのだ。
分かっていることだけれど、未来のことは考えれば考えるほど、切なくなってしまう。
思わず涙ぐみそうになって、りんは無理に笑った。

「 皆、またいつか生まれ変わる、かぁ。もし・・・いつかりんが死んでも、またこの世に生まれ変わるんだとしたら・・・りんが今まで出会ってきた人とも・・・殺生丸さまとも、また巡り会えるのかなぁ?」

りんが案摩にそう聞くと、案摩は遠くを見るように空を見上げて言った。

「 はい。佐保姫さまは、そう仰られていました。親が子を想うように、夫婦(めおと)が互いを想い合うように、人間たちが誰かを愛し求めるのは、『 不思議の縁(えにし)』というのだそうです。とても強い想いで結ばれた魂は、次の世でもまた必ず、不思議と惹かれ合うのだそうです。りんさまが殺生丸さまを、殺生丸さまがりんさまを強く想い合っていらっしゃるのならば、きっとまた巡り会えるはずでございます」

「 ほんと?」

真剣な眼差しでりんがそう問うと、案摩は面の下でにっこりと笑った。

「 ええ、そういう縁を結べた時には、とても幸せになると佐保姫さまは仰っておられました。 神々とて、すべての魂を理想どおりの縁で結べるわけではないのです。中には、神々の意志に反して、巡ることをやめてしまった私のような魂もいるわけですから」

案摩の言葉に、邪見とりんは顔を見合わせた。巡ることをやめてしまったとは、どういうことだろう。ゴザの上にちょこんと座った邪見が、薬草を摘んでいた三本の指を止めて聞く。

「 おい案摩、どういうことじゃ。お前、やっぱり幽霊なのか?」

案摩は邪見の言葉を聞いて、自嘲するように僅かに笑った。

「・・・そう思われても、仕方ないのかもしれません。私はかつて、荒ぶる川の神へ捧げられ、人柱になって命を落としたのです」

「 え゛」

案摩の言葉に、邪見の手からポロリと薬草が落ち、小梅と小竹も目を見開いている。
思わずりんも、息をのんだ。


「 もうずいぶんと昔のことで・・・私ももう、どれくらい昔のことだったのか、はっきりとは思い出せぬのです。 ただ、私が住んでいた里は、それはそれは美しい里だったのです。それだけは、はっきりと覚えております。 肥沃な土地で作物にも恵まれ、私はそんな里の裕福な家に生まれました。初めての男の子ということで、幼い頃は、たいそう可愛がられて育ちましたが、悲しいことに、なぜか成長するにつれ体がどんどん弱っていったのです。元服を迎える年頃には、ほとんど毎日熱が続き、寝たきりの生活をおくっておりました。あの頃、詠月さまや柚月さまのようなお医師さまに会えていたら、私の人生も変わっていたのかもしれませんね・・・。私の病は、結局、何の病かも分からぬままでした。家の者は皆、私の病が里の中に伝染することを恐れていたのでしょう。部屋からは出ることは許されず、私の傍へは、一日に数度、食事が運ばれてくるだけ。とても寂しい日々でございました・・・。体が弱り、寝床から離れることもままならなくなってからは、私の楽しみは、部屋の格子戸から見える、わずかな外の景色だけでございました。春にはさまざまな花が色とりどりに咲いて、大層、美しかった。夏がくれば、里の童たちが元気に走り回る声が聞こえておりました。秋には、収穫を祝う祭りの囃子が夜遅くまで鳴り響きました。寒くなってくると、年に数度だけ、雪が降りました。南天の赤い実につもる雪の美しさは、今でもはっきりと覚えております。・・・寝床から離れられぬ生活をおくりながらも、私は美しいあの里を愛していたのです」

案摩の口から語られたのは、まぎれもない生まれ育った土地への思慕の念だった。
 
「・・・そんなある年、大雨ばかりが何日も何日も続きました。 里には、こういう言い伝えがございました。  この里が豊かなのは、水神さまのお恵みがあるからなのだ、と。 もしも里の人間が川の神の怒りに触れれば、何日も何日も雨が続き、川は溢れ、この里は水底に沈んでしまうのだ・・・と。 水神の怒りを解くには、里の人間を神の供物として差し出すしかない。荒ぶる水神は、里人が差し出したその人間を喰い、怒りを鎮めてくださる。人間たちの里を守るために、神に喰われ、神の一部となるゆえに、その人間のことは『人柱』というのだ・・・・と」

「そんな・・・」

あまりの話にりんが言葉を失っていると、小梅と小竹が泣きそうな声で言った。

「 そんなの・・・」
「 迷信ではないのですか・・・? 」

ややして、案摩は寂しそうに微笑む。

「・・・ええ、きっと、そうだったのでしょうね。けれどその当時、私は何の病かも分からぬまま、寝たきりでおりましたから、 この人柱の話が私の所にきたときには、とてもとても、嬉しかったのです。 私のようなものでも、この里の為になることができるのだ、と。どうせ死ぬのなら、少しでも人の役に立って死にたいと、そう思ったのです」

「 案摩さん・・・」

りんが泣きそうになってそう呟くと、案摩は面の下で、困ったように笑った。

「 怖くもありましたが、誇りでもあったのです。このまま病で死ぬよりも、ずっといい、と。だから、私は地面に沈み、命を失ったあとも、魂だけになって荒ぶる神を待ち続けたのです。私は神に喰われる為に人柱になったのだから、里を守るためには神に喰われねばならぬ、と・・・」

幼い二人は、このような話が怖いのだろう。小梅と小竹はしっぽの毛を逆立てている。
こわごわと、双子の半妖が案摩に尋ねた。

「 そ・・・それで、荒ぶる神とは・・・やって来なかったのでしょう?」
「 案摩さんがここにいるということは、迷信だったのでしょう?」

案摩は、こくりと頷いて、手元で器用に薬草をちぎる。

「 ええ、いつまで待っても、どれだけ待っても、荒ぶる神はやってはきませんでした。でも、私には地面の底から出ていくこともまた、できなかったのです。もし、私が出ていって、また水神さまがお怒りになられたら、あの美しかった里が川に沈んでしまうかもしれないでしょう?そう思うと、私にはどうしても出ていけなかった・・・。ただただ、荒ぶる神とやらがやって来るのを、待つことしかできなかったのです」

「 死んだ後まで、馬鹿正直な奴じゃな・・・」

邪見が呆れたように言った。

「 真っ暗な地面の底でじっと荒ぶる神を待っている間、多くの魂たちが私の傍を通り過ぎて行きました。地の底から、地上の世界、天の上まで、多くの魂たちは巡り巡っているのです。 生まれ変わる前の魂は、金色の光をしていて、それはそれは、美しいのですよ。あの美しい金色の光に惹かれ、その巡りに流されていれば、私も、あの命の巡りに乗ることができたのでしょうね・・・。 けれど、あの美しい里への想いが、どうしても私をそうはさせてくれなかったのです。どれだけの間ああしていたか、私にも分かりませぬ。いつしか私は、かつて自分が人間だったことすら忘れていました。長い間大地の底に佇んでいた私の魂は、いつの間にか地の精と結びつき、もはや、自力であの場所から離れることもできなくなっていたのです」

はぁ、と邪見が納得したようにため息をついた。

「 それが、お前が精霊になった所以(ゆえん)か」

先ほどは双子の半妖に注意していたくせに、邪見も作業をする手は、止まってしまっている。
案摩は、面の下で微笑んだ。

「 ええ、そうです。あのまま時がたてば、私という個の意識はやがて薄れゆき、消えてしまっていたことでしょう。それこそ、魑魅魍魎の類に見つかれば、喰われてしまっていたかもしれません。ところがある日、側を通りかかった佐保姫さまが、真っ暗な地の底から私を救い出して下さったのです。 真っ暗な世界の中に差し出された佐保姫さまの手の美しさは、今でもはっきりと覚えております。私は、佐保姫さまに連れられ、生まれ育った里へと足を運びました。せめて、あの美しい里を一目見ることができたら、私はもう、消えてもいいと思っておりました。 けれど・・・私の愛していた里は、もはや影も形もなくなっていたのです。 長い年月の間で、きっと戦場にでもなってしまったのでしょうね。帰るところを無くした私は、神使として佐保姫さまの傍に置いていただくことになったのです。私の力など本当に僅かなものでございますが、それでも姫さまのお役に立てることが、 本当に嬉しゅうございました。 佐保姫さまには、感謝してもしきれませぬ。 姫さまに出会えなければ、今でも私は、あの真っ暗な闇の中で居るはずもない迷信の神を待っていたのでしょうから・・・」

「 そういうことだったの・・・」

りんは涙目になって、案摩を見つめた。

りんには、案摩の気持ちが痛いほどよく分かった。案摩にとっての佐保姫は、きっと、りんにとっての殺生丸のようなものなのだろう。

・・・命を救ってくれた。
・・・・居場所を、与えてくれた。
・・・・・そばにいることを、許してくれた。

きっと案摩にとっては、佐保姫は唯一無二の存在なのだ。りんが殺生丸を、想うように。

「 佐保姫さまと、出会えてよかったね、案摩さん・・・ 」

「 はい」

頷いてそう言った案摩に、小梅と小竹も、声を揃えて言った。

「 早く・・・??」
「 佐保姫さまの元へ戻れたらいいですね、案摩さん」

「 はい」


案摩がにっこりと笑ってそう言った時である。

 


――――― 突然、空気がバリバリと音を立てて振動した。


小梅と小竹の耳としっぽが、一瞬にしてハリネズミのように逆立ち、邪見は飛び上がった。
りんの耳にも、キーーーンという初めて聞く音が響いている。
ビリビリと空気は震え、静電気が走ったように頬がピリピリする。

「 なっ・・・何じゃ?! 何が起きたんじゃっ?!」

邪見がそう叫んだ時、上空からとてつもない妖気が流れこんできた。思わずその場から動けなくなるほどの、峻烈で圧倒されるような妖気である。小梅と小竹はあまりに強大な妖気に怯え、互いに抱き合いカタカタと震えながら、真っ青になっている。
りんが金属音に耳を押さえながら、正面にいた案摩をみると、案摩は驚いたように上空を見上げ、ゴザの上で立ち上がっていた。

「あの方は、確か・・・!」

その言葉につられて上空を見上げた邪見は、思わず叫び声を挙げた。

「 ぎゃ――――っ!!! ご・ご・ご・・・!!!!」

邪見は緑色の顔を更に青くして、口をぱくぱくさせている。

「 邪見さま、どうしたの!?」

りんがまぶしさに目を細め、真っ青な空を見上げると、見覚えのある白銀の長い髪と白尾が
靡いているのが見えた。後ろに天女のような美しい妖が二人、何かを持って、ついてきている。

殺生丸と見紛う、その白銀の姿。

だが、あれは ――――――・・・

 

「ご母堂さま・・・!?」


幼い頃、天空の宮城で目にした、忘れようもない艶やかなその姿。

白銀の髪をなびかせた美しい大妖は、空の上からまっすぐに、りんの屋敷の庭をめざし、降りてくる。迫りくるあまりの妖気に、りんの足下から、風が湧く。ゴザの上に拡げられていた西洋弟切草の黄色い小さな花が、空へと巻き上げられて舞った。

「どどど、どうしてこちらに!?」

邪見のつぶやく声が聞こえ、りんの目の前に、白銀の大妖と美しい天女が二人、降り立つ。
絹糸のような白銀の髪と殺生丸と同じ白尾が、太陽の光を纏って、キラキラと煌めいている。


「 久しいな、小娘。 元気そうではないか 」


面白そうに口角を上げ、ご母堂は殺生丸に似たその美しいかんばせで、ふふんと笑った。

 

 

 

 

 

 

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